その日担当の講師が、入室してきました。
その人物は、中年のディレクターさんで、
席に着くや、
「三日寝てない。この講義の後も朝まで編集があるから、述べ四日になんな」
と、
トレーナーの袖を捲り上げながら言いました。
「何か質問はあるか」
と、自己紹介無しでいきなり質問を求めてきました。
「あの……」
「なんだあ?」
「見るからに業界人っぽいですね」
「編集室住んでポテチ食ってっとこーなんだよ」
目が血走ってる
「ずっと疑問になってたことがあるんですけど」
「なんだよ」
「番組が始まるときに、番組から始まらず、いきなりCMに入るときがありますよねえ」
「おう」
「あれ、視聴者にチャンネル変えられる可能性高くならないですか?」
「あれは、大手スポンサーが、どえらい力持ってて、自社のCMを強引にさしこんでんだ」
「ああ、それでですか」
「○○さん(その番組のプロデューサー)も頑張って交渉し続けてるみたいけど、無理らしいわ」
「大変ですねえ」
「ブッ!」
講師が腰を浮かしてへをした後、
「糞食らえの制度だよな」
と言った。
「ためになる映画はありますか?」
「色々な映画をみた方が勉強になるけど、無数にあるよな。名作駄作…普通のよりメイキング物をみろ」
メイキング物は、コンセプトや製作映像も特典として盛り込まれているため、勉強になるそうです。
エイリアンⅡの特徴
・余分な画が多いが、トータル的にみ全て必要。
・間を埋めるのが上手い。
ということで、業界内で高評価が常識だそうです。
「ディレクター、映像クリエイターを目指す奴は、擦り切れるほどみろ!」
と、の賜わっていました。